村上春樹かぶれの私は、村上春樹氏が「これは面白い」と勧めている作品は目に通すようにしている。グレートギャツビーとかキャッチャーインザライとか。で、最近は英語になるべく接するために独りペーパーバックマラソンをしており、コンスタントに洋書を読むようにしていて、今はレイモンドカーヴァーの短編集。カーヴァーは村上氏が全作品を翻訳したイチオシ作家である。
正直なところ最初の数編は「?」という内容であまり楽しめず。ただただ英語のテキストだと思って読んでいた。「村上さんが面白いというのならば面白い筈である、少なくとも面白いと思わなければオレのセンスが疑われる、誰かに聞かれたら「これこれしかじかでカーヴァーはいいよね」と言えるようにならなければ、しかし、正直なところ何が良いのだろうか???」と村上春樹かぶれの私は焦っていた。
作品は発表順に掲載されており、後半に進むにしたがって、カーヴァーのスタイルが確立されていったように思える。そして少しずつ楽しめるようになり、村上かぶれの私は「ホッ」としたのだった。
そして、衝撃的な作品Feverと遭遇。ページにして30ページ弱。なので、内容はシンプルなんだけれど、アメリカ社会のドライさ、人と人との温かいつながり、人生の厳しさ、日常生活のもろさ、等々がシャープに切り取られ、乾いた英語によって淡々と描写されていく。「うーん」と思わず唸ってしまった。でもこれは若い人にはわからないかもな。40歳くらいであれやこれやの問題にぶち当たった人にしか楽しめないかもしれない。
本書は500ページの厚さで、まだ150ページくらい残っている。ようやく、村上かぶれを脱却して、楽しめながら読めるようになった。とりあえず9月末までに読了の予定で、その際にもう一度感想文を書きます。
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