最近は日本の本ばかり読んでおり、ペーパーバック1000冊プロジェクトは早くも破たんしかかっている。どうにかしなければならない。
騎士団長殺し第一部は読み終わった。あまりにも多くのメッセージやイメージが込められており、途中からもったいないので一日に一章ずつ読んだ。書きたいことは山盛りあるけれど、とりあえず第二部を読み終わってから考察してみたい(日本から届くのを待っている段階)。とはいうものの、とりあえず記しておきたいことは、この小説は村上さんが常々書かれているコミットメントについてであるということで、本書の主人公とその周辺の人たちの関係について様々な視点で描かれており、それらが多く交差することで世界が浮かび上がってくる。「世界の終わり」や「ねじまき鳥」では「私」や「僕」の視点で物語は語られ、そのため描写される世界は主人公が観た世界でしかない。「カフカ」や「1Q84」では三人称が使われ、世界は客観的に語られるようになる。本書では「私」の一人称に戻るが、「私」の視点から多くの登場人物が描写され、「私」は積極的に登場人物たちのつながりについて描写しようと、さらにそれらの関係について考える。客観的である世界を「私」が主観的に理解しようとするのである。なんてことを考えたのだけれど、第二部読んだ後にもう一度詳しく書きます。
山田正紀「影の艦隊」も読んでいる。全7巻で、今は3巻まで読んだ。このシリーズはもう絶版になっており、ブックオフ等のネットで集めた。最近は1円で売っている古本もあり、送料合わせて300円以下で届く(もちろん日本国内で)。どうやって利益を得ているのか不思議である。本書はいわゆる仮想戦記モノであり、太平洋戦争後、北方四島がソビエトに占領されてそのまま東側の独立国家になり、日本本土を一戦交えるというSFである。私は、最近、樺太や北方四島の歴史や地理について興味があるので、このシリーズに手を出したのであった。山田正紀ファンとしては少しものたりない気もするけれど、まあまあ面白い。
そして塩野七生の「わが友マキアヴェリ」。やはりフィレンツェとヴェネツィアの歴史は面白い。そこから大航海時代になり、フランス革命とナポレオン、第一次大戦、ヒトラー、第二次大戦、冷戦、という流れをしっかりと勉強したい。
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