変化

アメリカでは、職場で家族やプライベートのこと（君はボーイフレンドいるの、うん？　とか　ガールフレンドはいるのかしら、はん？　とかいう会話）はタブー、と言われているけれど、この人里離れたカンファレンスだと、知らない人同士でどうしても仕事と家族の話題がメインになり、家族トークの流れで「娘さんがいるのね、で、あなたの妻は仕事何をしているのかしら？」的なことを聞かれて、「シングルなんすよ、ハハハ」とか返すと絶句されるのであった。まあ、そんな朝食トークで今日はスタート。

ひっきりなしに新しいデータが出てきて新しい分野の話になり、ソコソコ刺激がある。が、やはり有名大学の研究者のデータは厚みがあり面白い（つまり、その逆は逆ということ）。良い研究をしたいなら環境が大事、というのは事実である。

午後はフリータイム。近くの土産物屋兼雑貨店に買い物。カウンターのおばちゃんと少し雑談。「ここは変化があるので住んでいて楽しいわ」と言うので「変化？」と問うと「つまり冬は寒くて夏は暑い、秋には紅葉がきれいだし、山も海も近くにあるし」と言うのであった。そして「私は、アメリカ国内４８の州全てで暮らした経験があるけど、ここがベストね、若いころは色々と旅したものだわ」とメリルストリープに似ているかと問われるとそれほど似てないと答えざるを得ないそのおばちゃんはなんとなくどこかの映画で聞いたことがあるような深いセリフと言うのであった。そしてそれは今の自分にとっての啓示なのかもしれないと思い、ケンワタナベに似ているかと問われれば何もかも似ていないと答えざるを得ないオレはケンワタナベ的に「サンクス」と言いながら店を出たのであった。